芭蕉布の着物

芭蕉布の特徴

 

 

芭蕉布は沖縄のこころを受け継ぐ伝統織物であり、自然の恵みである土と水と太陽から育くまれたイトバショウの繊維を織り、草木染めの糸で綾なしたものです。

 

 

この芭蕉布の長所は風通しがよいことであり、古くから夏の衣服として重宝され、身分を問わず琉球の人々のあいだで愛用されてきたものです。決して派手さはありませんが、生成りの自然な色合いと、草木染めの控え目な模様が芭蕉布の特徴です。

 

 

この芭蕉布の製品には着尺や帯だけでなく、バッグや財布、コースター、タペストリーなどもあります。実際に芭蕉布の製品を手にした人は、そのさらっとした手触りに驚くことと思います。

 

 

イトバショウの原木から芭蕉布として完成するまでには、数々の工程が存在します。そのそれぞれの工程において、南国の暮らしの知恵と感覚が凝縮されているのであり、それらの多くの手法が、現代に継承されているのです。

 

 

芭蕉布は、イトバショウの植え付けから3年を経て初めて繊維が採れるという、気の長い織物です。その工程は、畑を切り開くことから始まります。このときには機械を使用することが多いようですが、植えつけから後の作業は基本的に全部手作業で行なうのが一般的であるようです。

 

 

成長したイトバショウはとても大きく、葉の部分も含めると3メートルほどの高さになります。手入れを怠ると、畑の中はまさにジャングルのような状態になってしまいます。